税金作文の書き方をプロが事例で紹介

高校受験 中学生
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税金作文の書き方をプロが事例で紹介

中学校の夏休みの宿題によく出される税金作文。

皆さんは税金と言うと何が思い浮かびますか?

  • 消費税
  • 所得税
  • たばこ税
  • 酒税
  • ふるさと納税

結構幅広く、何から書いて良いのかわからない人も多いと思います。

今回は、高橋じゅんこ先生が書いたオリジナル作文を元にポイントを解説していきます。

この記事の寄稿者情報

元小論文添削員
元小論文添削員 高橋純子

大手通信教育会社で小論文の添削を長年に渡って指導。現在は、ママペディアのライター原稿の編集作業を行うほか自らも記事を執筆する。

税金作文の基本

中学生の夏休みの宿題となる税金作文。中3で公民をならい、その学習の一貫でこの宿題が出されます。

まずは、主催情報や文字数など基本的なことを知っておきましょう。

税金作文の主催は国税庁

税金作文の主催は国税庁及び全国納税貯蓄組合連合会です。
毎年9月上旬が締切、発表は11月初旬。
入選者には賞状と副賞(記念品)が贈呈されます。
なお、この作文は所属の中学校を通して地区納税貯蓄組合連合会へ提出します。

税金作文の文字数は?

原稿用紙(400字詰め)3枚以内です。

税金作文で入賞するには何の税について書けば良い?

税金作文の入賞作品4本のうち、税金全般が3本、法人税が1本という結果でした。
税金全般は自分や家族が税金で受けたサービスなどについて書かれています。
法人税は祖父と母が会社の経営者ということからテーマが選ばれています。
このように自分にとって、身近な税金について書くことがお勧めです。

税金作文の書き方も含めてこのコラムを書いた高橋純子先生が添削をしてくれます。
ママペディア添削サービス

入賞作品の文字数は以下の通りです。

  文字数 %
私の使命 1159 96.6
お金よりも大切なこと 1093 91.1
祖父の遺言 997 83.1
税で恩返し 1164 97.0

文字数は、83.1パーセントから97パーセントとなっています。
入賞を目指すならば85パーセント以上書くようにしましょう。

それでは、実際にふるさと納税についての税金作文を書いてみたのでまずはご覧ください。

税金作文例(テーマはふるさと納税)

先日、我が家の食卓に大きな海老フライが出た。

「お母さん、この海老フライ大きいし美味しいね!」と言ったところ、母は「これはふるさと納税の返礼品よ。」と答えた。そして、昨年届いた「生きたウチワエビ」や「殻のついたままの牡蠣」のことも母が「ふるさと納税の返礼品だ」と言っていたのを思い出した。

しかし、私はふるさと納税とはどんなシステムなのか全く知らなかった。そこで、自分なりに調べてみることにした。

ふるさと納税とは、「自分の故郷、もしくは応援したい自治体」に寄付するもので、所得税や住民税を還付してもらえるものだ。寄付がいくらできるのかは個人の所得による。そして、ほとんどの自治体が寄付金の金額によってお礼の品を送っているという。

また、自分の寄付したお金をどんなことに使って欲しいかを指定することもできるという。

毎年、1月から12月の間に自治体を選び寄付金を収めれば良いのだが、唯一のデメリットとしては確定申告をしなければならないなど手続きが煩雑になることである。しかし、これは寄付する自治体の数を5つ以内にすれば「ワンストップ納税」制度が利用でき、確定申告をする煩わしさから解放される。そして寄付金額から2000円を引いた分が所得税や住民税として還付されるのだ。

もっとも、お礼の品が目当てで寄付する人の方が多いような気もするが、自治体にとってもふるさと納税はメリットの方が大きいのだろう。この自治体に寄付したいという主体的な行動、そして、使い途が選べるということは税金の使われ方に関心を寄せるということにもつながる。

国民が税金の使われ方に関心を持つのは、どんな良い点があるのだろうか。税金とは全ての人が恩恵を受けているものである。税金がなければ、市道や県道、国道は舗装されないし、上下水道も通らない、幼い子供達は予防接種も受けられない。つまり、現代社会において税金と関わらないで生きていくことは不可能なのである。

しかし、残念なことに全ての税金が適正に使われているとは限らない。また、税金をきちんと払っていない人も少なからずいる。

税金の使い道に関心を持てば、税金が適正に使われているかどうかを考えることができる。また、個人がこのような意識を持ち、多くの人がきちんと税金を払うようになれば税収も安定し、インフラの整備も滞りなくできるようになるだろう。

うちの両親もふるさと納税を始めてから、税金がどんなところに使われているのかに関心を持つようになったという。そして誰もが適正に納税することの大切さについても深く考えるようになったと言っている。

最初は返礼品が目当てであっても、このように税金についてしっかり考えるようになるのであればふるさと納税とはとても良い制度なのだと実感している。私も大人になったら、ぜひふるさと納税をしてみたい。

税金作文書き方のポイント

税についての理解を示すこと

学校の先生に「夏休みの宿題は税金の作文です。」と言われたら、皆さんはどのように思いますか?
「難しそうだ。」「書けないよ。」という人が多いのではないでしょうか?

スラスラ書けるという人以外は、まずスマートフォンやパソコンで税金について調べてみましょう。調べるポイントは、以下の2点です。

・税金の種類を調べる。
  • 自分が知っているものや身近な税金の中からテーマにするものを一つ選ぶ。
  • 支払われた税金がどのように使われているかを調べる。

これらのポイントを押さえることで、作文の方向性が決まります。
ポイントが明確になったら、あなたが選んだ税金についてさらに詳しく調べてみましょう。
図書館を利用する、税金に詳しい大人に聞いてみるなど税金についての理解を深めます。

税について前向きな意見を述べること

税金の作文には絶対に書いてはいけないNGワードがあります。
それは「税金は払いたくない。税金を払うのは嫌だ。」などというものです。
税金を負担に感じる人は多いのですが、税金を国民の多くが支払わなくなってしまうとどうなるかを考えてみましょう。
「税金を支払うことで社会が成り立っている、国民が快適な生活が送ることができている」という点を念頭に置いて作文を書いていくことが大切です。

税金作文の構成を決めよう

全ての作文に言えることですが、最初にしなければならないのは構成を考えることです。

それでは、さっそくですが私が書いた作文の構成を見ていきます。

第一段落 ふるさと納税について具体例を挙げる
第二段落 ふるさと納税についての説明(調べたことを書く)
第三段落 税金の使われ方について考察
第四段落 自分も大人になったらふるさと納税をしてみたいという将来の展望

今回の作文では、導入部でふるさと納税の具体例を挙げましたが、他の税金の場合も、同じように具体例から書き始めると書きやすいかもしれません。
例えば、「消費税を考えないでお店に行ったら、お金が足りなくて買えなかった。」「父親が公務員なので、給料は税金で支払われているということを知った。」など様々なパターンが考えられます。
また、書き出しは会話文にしましたが、入賞作品の多くも書き出しは会話文です。

具体的には次のような段落構成になります。

第一段落 税金についての具体例
第二段落 税金について調べたことを書く
第三段落 税金について調べたことを考察する
第四段落 将来への展望、まとめ

第一段落で調べたことを書いて、第二段落で具体例を挙げても良いでしょう。

税金作文に表現力は必要ない

一般的な作文や創作文は、表現力が評価を分けます。例えば、有名な作家が書いた文章を読むと「目の前にその情景が広がっているように感じる」ことはありませんか?それが表現力です。

しかし、税金作文には表現力は不要です。なぜなら、事実を淡々と書いていけば良いからです。
税金作文の場合、評価を分けるのは「構成力と調べた内容」です。
いかに説得力のある作文にするかがポイントとなります。

入賞した税金作文の分析

最後に、平成29年度税金作文の入賞作品を分析していきます。以下は平成29年度 中学生の「税についての作文」各大臣賞・国税庁長官賞受賞者発表の文章を元に分析していますので合わせてご覧ください。

内閣総理大臣賞「私の使命」を分析

では、この作文の構成を見てみましょう。

序論 具体例、税金に対する愚痴
本論 具体例、弟の病気について。税金に対する感謝の思い
結論 税金がプラスになるという事実を伝えることが自分の使命という将来への展望

序論部の具体例は、会話文から入っています。その後税金に対するマイナスイメージを書いていますが、本論部分は一転して税金に対する感謝の気持ちを伝えています。本論部分も具体例が挙げられていますが、そこに自分の考えをしっかりと盛り込んでいるため逆に説得力のある内容となっていますね。
そして、「税金で自分たちがどれほど救われたかを事実として伝えることが使命」だと結んでいます。

総務大臣賞「お金よりも大切なこと」を分析

序論
具体例 骨折をした状況とこども医療助成制度についての説明
本論 
「今はお金がかからないから、受診する」という母親の考えについての疑問から税金を考察
結論 
こども医療助成制度は税金であること、将来はしっかり税金を払っていきたいという強い思いを示す

こちらの作文も、序論部の具体例は会話文です。骨折をしてしまったときの友達とのやりとり、病院に行ったときの治療の様子を説明しています。
この作文のポイントとなるのは「こども医療助成制度のおかげで中学生はお金がかからない」という点です。こども医療費助成制度で自分が税金との繋がりを感じたことから税金に対する認識を改めたことが書かれています。

財務大臣賞「祖父の遺言」を分析

序論 具体例 祖父の遺言
本論 税金の大切を考察
結論 税金の仕組みについて勉強して理解を深めていきたいという考えを示す

「祖父が経営者として一番大切なものは納税だと遺言を残したこと」を中心として構成されています。
序論部分で具体例を挙げていますが、会話文をところどころに入れてインパクトのある内容にしています。本論部分では祖父の遺言を聞いたことで税金がいかに大切なのかを考察し、結論部分に結びつけています。

文部科学大臣賞「税で恩返し」を分析

第一段落 具体例 円借款によるマレーシアの空港についての描写
第二段落 マレーシアに行った理由(国際協力機構の研修)と税金についての考察
第三段落 日本の税金が新興国に援助されている理由と、かつて支援を受けていたことについての考察
第四段落 税金で海外研修を受けられた感謝の気持ちと、将来の展望

自分がマレーシアに海外研修に行った際の空港の立派さから、日本が海外に多額の援助をしていることを知り、その理由を考察しています。最終段落では、自分がきちんと納税できる大人になりたいという決意を示しています。
海外援助という難しいテーマですが、的確な具体例が挙げられているため分かりやすい作文となっていますね。