なぜ子ども達は植木算でつまずくのか? 植木算とは?つまずきポイントを教えます

中学受験 小学生
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なぜ子ども達は植木算でつまずくのか? 植木算とは?つまずきポイントを教えます

植木算は、中学の入試問題によく出る問題の一つ。主に小4で学習する植木算ですが、小4で学習する単元の中でつまずきやすい単元の1つと言ってもいいかもしれません。

今回はその植木算の基本問題(典型問題)の解き方と解く際の注意点についてご説明いたします。また、植木算がつまずきやすい単元になっている理由についてもふれてまいります。

この記事の寄稿者情報

さいとう算数教室塾長
さいとう算数教室塾長 齋藤裕也先生

さいとう算数教室代表。家庭教師・個別指導塾・大手進学塾にて難関クラスを始めとする幅広い学力層の生徒を指導し、その後独立。御三家など最難関中学受験指導だけでなく、地域の難関校や人気校、付属校など様々なケースに対応できることが強みである。『算数「を」教えるではなく、算数「で」教える』をモットーとし、解法だけに留まらず生徒の「課題解決力」を引き上げる指導をしている。

植木算とは?

では、早速植木算の基本問題(典型問題)から見ていきましょう。

例題1:まっすぐな道にそって、8本のさくらの木が15m間隔で植えてあります。両端のさくらの木は何mはなれていますか。
例題2:ある池のまわりに、くいが10mおきに打ってあります。くいの数を調べてみると8本ありました。この池のまわりの長さは何mですか。

このように物と物との間の関係性について考えて解く問題を植木算と言います。
植木算には大きく次の2つのパターンがあります。

①まっすぐに植える(例題1)
②まるく植える(例題2)

植木算でつまずいてしまう人のほとんどが図を書かずに解いてしまっています。そして、よく考えずに「何となく」解いて間違ってしまうのです。その結果として苦手単元になってしまうのです。苦手にならないためには、どちらのパターンの問題も必ず図を書き、「木(くい)の数」と「間の数」の関係を確認した上で解くようにしましょう。

例題1の解き方

ポイントは「15mがいくつある?」ということです。
ここでいちばんやってはいけないのが、よく考えずに15×8=120(m)と答えてしまうことです。残念ながらよく考えずにこのように答えてしまう人は大人が思っている以上に多いです。そして、植木算で苦労するのは「文章題に出てくる数字を、特に考えずにそのまま使ってしまう」タイプのお子さんに多く見られます。

まず、図を書きます。(下の図1)

図1例題1まっすぐ植える

【図に関するひと言アドバイス】

  • 絵はあまり凝りすぎないようにしましょう!(リアルな木を書かなくてよいです)
  • マス目ノートのマスを有効活用しましょう(1マスがちょうど間1つ分になるように書くとよいでしょう)

さて、図1を見ると分かりますが、木の数8本に対して間の数は「7」ですね。したがって両端のさくらの木は15×7=105mはなれていることが分かります。例題1の答えは105mです。

まっすぐ植える植木算のポイント

「間の数」は「木の数」よりも1少ない=「木の数」は「間の数」よりも1多い、大人からすると当たり前に思うかもしれませんが、子どもにとっては当たり前ではありません。(当たり前ではないからこそ、つまずきやすいのです)慣れるまでは必ず図を書いて、木の数と間の数との関係を確認してから式を書くようにしましょう。

例題2の解き方

こちらも図を書いて考えてみましょう。(下の図2)

図2 例題2まるく植える

図2を見ると分かりますが、くいの数8に対して間の数も「8」ですね。したがって、池のまわりの長さは10×8=80mとなります。例題2の答えは80mです。

まるく植える植木算のポイント

「木の数」と「間の数」は同じ

いかがでしょうか。
まっすぐ植えるパターンとまるく植えるパターンとで考え方が違いますが、図を書いて考えれば簡単に解くことができますね。木の数と間の数の関係さえ押さえておけば、植木算は怖くありません!

まるく植えるパターンの場合は木の数と間の数が同じなのであまり苦労はしないでしょう。間違えやすいのは圧倒的にまっすぐ植える植木算の方なので、以降はこのパターンの問題について考えていくことにします。

少し難しい植木算の問題1

基本問題が理解できたところで、今度は少し難しめの問題に挑戦してみましょう。

例題3:まっすぐな道にそって、30本のさくらの木が15m間隔で植えてあります。両端のさくらの木は何mはなれていますか。

問題文を読んで「例題1とほとんど同じ問題じゃないか!」と思われた方も多いと思います。その通りです。大人にとってはさきほどの問題とほぼ同じ難易度に見えるかもしれません。なぜなら例題3は例題1と比べると問題の一部分の数字を替えただけだからです。ところが、驚くことにたったこれだけの違いで、正答率は一気に下がります。なぜだと思いますか?

正答率が下がってしまう大きな原因は「すべてを図に書き表すことができない」ことにあります。
例題1は木が8本でしたので、図にすべて書き表すことができました。しかし例題3はさくらの木を30本植えています。30本植えた図を書くのは大変ですよね。

図を書くことを躊躇してしまうということは、図に頼らずに解こうとしてしまう人が増えるということです。その結果、正答率が下がってしまうのです。ちなみにいちばん多い誤答パターンは、よく考えずに15×30=450mとしてしまうことです。そこで役に立つのが「小さい図」を書くという方法です。

「小さい図」で攻略しよう!

例題3の30本の木すべてを図に書いていくのはあまり現実的ではありません。そこで、次のような図を書くとよいでしょう。(下の図3)

図3 例題3途中を省略

途中は省略して構いませんが、最初と最後だけはしっかり書きましょう。

例題3の最大のポイントは「図3のいちばん右の青のに入る数はいくつか?」という1点です。
このとき赤ペンで囲んだ部分に注目してください。これを「小さい図」と呼ぶことにしましょう。(図を小さく書くという意味ではありません!図は分かりやすく大きく書きましょう)

この「小さい図」を見て、木の数と間の数の関係について考えます。「小さい図」の中の木の数は4本。それに対して間の数は3つです。
つまり「小さい図」から「木の数よりも間の数が1少ない」ことが確認できます。ということは、いちばん右の青のには「木の数の30よりも1小さい29が入る」ということが分かりますね。

ここまで来れば解けたも同然!両端のさくらの木は15×29=435m、はなれています。

このように、すべてを図に表すことが難しい場合はそのうちの一部を「小さい図」として書き、その図から法則性(規則性)を見抜くことが大事です。

小さい図は「具体的」なので、理解しやすいです。そこから「抽象的」な法則性(規則性)を見抜きます。つまり植木算を攻略するためには「具体→抽象」という思考パターンが必要であるということです。

植木算が苦手な原因

植木算が苦手なのは、植木算そのものというより「具体→抽象」の思考パターンの訓練が不足していることが主な原因になっています。
この「具体→抽象」という思考プロセスは植木算のみならず、さまざまな場面で応用できますので、ぜひともマスターしてほしい手順です。この手順が踏める人は間違いなく算数が得意になります。(他の科目も得意になります)

単純に「木の数=間の数+1」「間の数=木の数-1」と覚えてしまえば対応できるのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、甘いです。さきほどの例題3でびっくりするようなまちがいをする子どもがいます。

15×30=450
450-1=449m

とにかく-1をしなければと考えたことは伝わりますが、式の意味はまったく分かりません。大人からすると「なぜこんな訳の分からない式を立てるの?」「解いていて変だと思わないの?」と思いますが、解いている子どもはいたってまじめです。なぜそうなるのかを理解せず、ただ公式を丸暗記するような勉強の仕方をしているとこのような信じられないミスが頻繁に起こります。

一見遠回りに見えるかもしれませんが、図を書いて考えること(「具体→抽象」思考)が植木算を攻略するための最短ルートなのです。
ただ、「具体(例題1・例題2)」は分かっても「抽象(例題3の作業)」が理解しづらいお子様もいらっしゃるかもしれません。学年が上がると「抽象的な思考」が可能になってきます。いまはどうしても理解できないという人は無理をせず、具体で解ける問題(数が少なく図にすべて書ける問題=例題1・例題2のタイプ)を確実に解けるようにしておきましょう。

少し難しい植木算の問題2

では、最後にあと2題問題をご紹介いたします。「小さい図」を書いて考えてみましょう。

例題4 200mのまっすぐな道の片側に、はしからはしまで5mおきに木を植えようと思います。木は何本必要ですか。
例題5 180mのまっすぐな道の片側に、はしからはしまで等しい間隔で16本の木を植えようと思います。木と木の間を何mにすればよいですか。

例題4の解き方

今回は木の本数を求める問題ですが、手順はこれまでと同じです。まずは「間がいくつあるか」(「図4のいちばん右の青のに入る数はいくつか?」)ということから考えていきましょう。

図4 例題4 間はいくつある?

200÷5=40より、間の数が40あることが分かりました。「小さい図」を見ると木の数は間の数よりも1多いことが分かりますので、木の本数は40+1=41本と求めることができます。

注意

これをやってはいけない!⇒200÷5=40で答え40本としてしまう。

例題5の解き方

今回は間隔の長さを求める問題ですが、手順はこれまでと同じです。ポイントは「間がいくつあるか」(「図5のいちばん右の青のに入る数はいくつか?」)の1点です。

図5 例題5


「小さい図」を見ると分かりますが、間の数は木の数より1少ないことが分かりますので、間の数は16-1=15ということが分かります。
したがって、木と木の間隔は180÷15=12mと求めることができます。

注意

これをやってはいけない!⇒180÷16をしてわりきれなくて混乱する。

まとめ

いかがでしたか。
今回は植木算の基本問題の解き方を確認しながら「植木算でつまずきやすい理由」と、その対策について説明いたしました。
最後にもう一度まとめておきます。

なぜ植木算でつまずくのか?

①図を書かずに「問題文の数字をそのまま使って」解こうとするから
②「具体→抽象」の思考パターンに慣れていないから

【植木算の攻略ポイント】

①「なんとなく」で答えを出さず、慣れるまでは必ず図を書いて考える
② 数が多くてすべてを図に書き切れない場合は「小さい図」を書く
③「小さい図」(具体)を元に、物(木やくい)と間の数の関係(抽象)を考える
※③がどうしても難しいという人は、具体で解ける問題(数が少なく図にすべて書ける問題)を確実に解けるようにしましょう。

植木算を苦手にしている方はぜひ参考にしてみてくださいね。